ADSL。東京で始まった、大阪で始まったという話を聞いても、京都にはなかなか来なかった。来ない間はそれを讃える記事をいくら読まされても、遠いあこがれの物でしかなかった。それが、東京に遅れること半年、やっと京都にもADSLがやってきた。もう、とるものもとりあえず、申し込み。なんとかまっさきに開通させた。
ADSLは、Asymmetric Digital SubscriberLineだそうだが、この理論云々は他のページに任せよう。要はインターネットがめちゃくちゃに速くなったということなのだ。インターネットがはじまってすぐのころは、14.4kbpsぐらいのアナログ電話線でやっていたが、これがISDNになって、64kbpsとなり、ADSLは1.5Mbpsつまり1500kbpsだ、2桁違う。 もう少し具体的に写真表示を例にとろう。アナログ時代は「じっじっじっじっじっ」と、上からすこしづつ表示された。まるで、見るのをじらされているみたいで、かなりいらいらしたが、コンピュータネットワークで写真が見られるということだけで感激していたものだ。これがISDNになって上からすこしづつ表示されるのはかわりないものの「たたたたたた」と、かなり速くなった。これでかなり改善はしたが、無意味な写真をたくさん貼り付けたページなどは、やはり敬遠したものだ。
これが、ADSLでは「ぱっ」である。一瞬で表示されるのだ。写真表示のストレスがなくなった。たぶん、もう少しすれば、「写真の多い重いページは、読み手のことを考えて、作るのは慎みましょう」などというネットマナーは過去の物になってしまうだろう。 ADSLをはじめとしたブロードバンド技術は、インターネットをまた一段と進化させそうだ。今まで、インターネットは全世界から情報が飛んでくるとはいうものの、とにかく遅いのが難点だった。写真や音声をいれたクールなホームページは、その美しさとは裏腹に遅くて嫌われた。電子モールでもオークションサイトでもやはり写真が命だが、今までは軽い小さな写真しか添えられていなかった。これが、ADSLだと写真も「ぱっ」である。今後、ブロードバンドを前提とした写真や音声を多用したホームページ造りが進行するだろう。
今、注目を浴びているのは動画のホームページである。動画は極めてデータサイズが大きく、今までのISDN程度の速度を前提にしていたのでは、実用にならなかった。ブロードバンドではこれも実用の領域にはいってくる。レンタルビデオ屋なんていうのも過去のものになってしまうだろう。見たい映画をサーバーからダウンしながら同時に見るビデオオンデマンドが可能になるからだ。
印刷屋にとってみれば、あせらずにはおれない。写真ぐらいならまだしも、動画は絶対に印刷物には貼れないのだ。メディア革命は、いよいよ印刷物の存立を困難にしてくれる。
といっておきながらだけれど、午後11時ADSLを使ったら、遅い。時間をはかったら、ISDNとかわらない。ADSLはトラフィックが混むとてきめんに遅くなる物らしい。そういえば、 NTTのホームページには「ADSLは通信速度が非対称で、下り速度が最大1.5Mbpsまで、上り速度が最大512kbpsまでの ベストエフォート型の通信です。ただし通信速度を保証するものではありません」としっかり書いてあるではないか。
どうやら、まだまだ、ADSLも問題が多そうではある。しかし、ADSLはまだ高速インターネット時代のとっかかりにすぎない。これから光ファイバー網による光通信とか、もっとすさまじいシステムが近い未来にやってくるのはもう間違いない。どうする印刷?