第35回 インターネットは宝の山|学会誌・学術印刷全般・学会業務受託など、文化学術の発展に貢献する中西印刷

第35回 インターネットは宝の山

 さてインターネットである。2年前はじめてとりあげたころは、接続している人はまだほとんどなかったのに、今やすっかり定着した。雑誌の広告などにも、「関連のホームページアドレスはここ」なんていうのが載っているし、テレビ番組でもインターネットとの連携は大流行だ。いまや、パソコン買えばインターネットへの接続セットがついてくるのは当たり前だ。


 うちの会社でも、昼休みともなれば、インターネットにつないだパソコンの前には必ず誰かがすわって、WWWにアクセスしている。そのまわりではそのWWW画面をのぞきこんだり、WWWを話題におしゃべりをしたりと、一昔前、食堂のテレビがそうであったようにパソコンを中心に人の輪ができる。


 とにかくインターネットは便利だ。なにかちょっと調べてみようと思ったら、検索エンジンに接続するだけでいい。ここでキーワードを入力すれば、たちどころに関連する項目の記載されたサイトをリストアップしてくる。その中から、一番、該当しそうなサイトをマウスでクリックするだけで、その項目に飛んでいける。


 すこし前までは、必要な情報がインターネットに載っていないという弱点があったのだが、急速に改善されている。とにかく、世界中で誰かがどこかで、ある項目についてホームページに掲載すれば、それが全世界共通の知識になってしまうのだ。これはすごいですよ。しかも、単純な文字情報だけでなく、コンピュータソフトだったりすれば、インターネットを通じてそのまま手にいれることができてしまう。


 それが印刷屋になんの関係がと、思ってるようではいけない。このように全世界から自由に情報がやってくれば、情報を得るためにわざわざ本を買うという必要がないでしょうが。ひいては印刷もいらなくなるでしょうが。もちろん、印刷がいらなくなるというところまでいくには、相当時間がかかるとは思うけれども。逆に印刷屋にとっては、うまくつきあえば、このうえない道具ともなる。


 先日タイ文字の印刷の仕事が来た。


「タイ文字のフォント? 確かに活版の頃にはあったけど、電算ではないなあ」


 私がそういうと、若い社員はもうあっさりと


「インターネットでしらべてみましょうか」


 というがはやいが、検索エンジンで、「タイ」と「フォント」をうちこんでいた。


「ええと、ヒットしました。こいつだな。ビットマップだけどフリーフォントだ。ダウンロードしときますか」


「やってくれ」


 この間、わずか2分、タイ文字のフォントが手にはいっていた。


 このあたりが、インターネットのすごいところだ。全世界には、タイ文字のフォントをただで(フリーフォント)インターネットに公開しているところがある。これをインターネットを通じて送ってもらう(ダウンロード)だけでタイ文字のフォントが手にはいる。検索機能も充実しているから、タイ文字を探してインターネット上を右往左往ということもない。


 ただ、ご存知のようにいまのところインターネットではお金のやりとりができないから、情報提供は、ボランティアや広告などただのものに限られる。従って、どうしても質は低い。今、電子商取引の研究が急ピッチで進んでいるが、これが完成し、インターネット上で料金がやりとりできれば、またあらたな時代に突入することは間違いない。



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