インパクトファクターとは
Impact factorは、学術雑誌をそれぞれの雑誌がいかに学界に対して影響をもちえたかを引用という視点から数値として算出した物です。
一般には学術雑誌のランクづけ指標のように考えられていますが、元々は、Eugene Garfieldが学者の研究の便のために創案した物でした。
最近ではこのことを強調するために、Journal Impact Factorと前にJournalをつけて、雑誌の指標であることを明確にするようになり、略称としてJIFが使われます。
また、2022年版からは小数点以下1桁の表示となり、細かい数値に意味がないことをCrarivate自ら宣言することとなりました。
Impact factorはアメリカのClarivate Analytics社(https://clarivate.jp/products/journal-citation-reports/)から、
発行されているJournal Citation Reportsに掲載されています。
計算式
Impact factorは、以下の数式により、算出されます。
A(year) = (B(year - 1) + B(year - 2)) / (C(year - 1) + C(year - 2))
year | 特定の暦年 |
---|---|
A(year) | year年のImpact factor値 |
B(year - 1) | year年の前年に発表された論文がyear年に引用された数 |
B(year - 2) | year年の前々年に発表された論文がyear年に引用された数 |
C(year - 1) | year年の前年に発表された論文数 |
C(year - 2) | year年の前々年に発表された論文数 |
実際に数値をあてはめて考えてみます。2022年に30、2021年に40の論文が発表された雑誌があるとします。2023年中に、この2年間の論文が、何回引用されたかを全世界の雑誌から検索して数えます。ここで、2022年の論文が60回、2021年が45回引用されていたとすると
2023年のImpact Factor値 = (60 + 45) / (30 + 40) = 1.5
となります(小数点以下1桁で公表されます)。
日本のImpact Factor
では実際のImpact Factorはどれくらいになるのでしょうか。
日本のImpact Factor上位10誌は以下のようになります。
2023順位 | Journal Title | Journal Impact Factor |
---|---|---|
1 | JOURNAL OF PHOTOCHEMISTRY AND PHOTOBIOLOGY C-PHOTOCHEMISTRY REVIEWS | 12.8 |
2 | NPG Asia Materials | 8.6 |
3 | Science and Technology of Advanced Materials | 7.4 |
4 | JOURNAL OF GASTROENTEROLOGY | 6.9 |
5 | ALLEGOLOGY INTERNATIONALS | 6.2 |
6 | Gastric Cancer | 6.0 |
7 | Japanese Dental Science Review | 5.7 |
8 | BioScience Trends | 5.7 |
9 | Sustainability Science | 5.1 |
10 | Digestive Endoscopy | 5.0 |
(出典:Clarivate Analytics社、Journal Citation Reports 2023年版)
なお、中西印刷ではお問い合わせいただいても個別のImpact Factorをお教えすることはできません。
ご不明な点などはClarivate Analytics社ウェブサイト(https://clarivate.jp/products/journal-citation-reports/)をご参照ください。
その他「Impact Factor算出の対象になるためには?」や「インパクトファクターの上げ方テクニック」などを解説した「Impact Factorについて」という文書(PDF)を用意しておりますので、こちらを御覧ください。