オンラインジャーナルとは

オンラインジャーナルとは

オンラインジャーナル(電子ジャーナル)は、その名の通り、雑誌の内容すべてをインターネット上で公開し、扱いやすい検索機能などを付加するものです。
印刷の工程がないために紙の雑誌よりも投稿から掲載までが速い上に、ハイパーリンクで自由に必要な文献検索ができるため、急速に普及しています。
特に、英語圏での取り組みが早く、現在では欧米の有力な学会誌はほとんどインターネット上で公開されるようになっています。

If it is not on the net, it does not exist.という言葉があります。
「ネットになければそれはない」つまりはオンラインジャーナル化されていないと、
その論文は発表されたこと自体知られず、実質的に発表されていないのと同じということになるというわけです。
当然知られなければ引用もされません。実際、若い層では図書館に行って紙の本や雑誌を探すという習慣が失われつつあり、
日本でもネットに雑誌があることは必須となっています。

J-STAGE仕様のオンラインジャーナル製作で日本最大級の実績

中西印刷は、未来の印刷業を考える上で、オンラインジャーナル化は必然と考えています。
特に、中西印刷の得意とする学術雑誌はもっともオンラインジャーナル化に適した分野であり、積極的に取り組んできました。
当社は日本でもっともオンラインジャーナルに精通した会社を標榜しております。

中西印刷のとりくみ
  • 日本のJ-STAGEへの最初期からの掲載
  • 1999年のOxford University Pressとの提携によるHighWireへの日本の学術雑誌掲載
  • 米国National Library of Medicineの運用するPMCへのオンラインジャーナルデータ直接提供
  • 英語雑誌に限らず日本語雑誌も続々とオンラインジャーナルコンテンツとして日本から発信
  • J-STAGEに関しては設立当初から関わり、100誌近い雑誌を中西印刷から送り出しており、J-STAGE仕様のオンラインジャーナル製作でも日本最大級の実績を有しております。
  • 機関リポジトリをはじめ、さまざまな公的なサーバーへのアップロードについても対応をいたします。

どうぞご安心の上、中西印刷にオンラインジャーナルをお申し付けください。
なお、海外出版社との対応についても経験を積んでおりますので、なんなりとご相談ください。

Oxford University Pressとの提携1999(現在は解消しています)
Oxford University Pressとの提携1999
(現在は解消しています)
受託業務内容
オンラインジャーナルの形態

ひとくちに全文のインターネット掲載といっても、いろいろな形態がありえます。最近の進んだオンラインジャーナルではPDFとHTMLを併用する例が多いようです。

PDFオンラインジャーナルの入門形態

印刷のための出力データを電子的に保存するPDF(Portable Document Format)を使用する方法です。

これは上述のように誌面をスキャナで読み取る方法もありますが、
印刷の仕上がり状態そのままを電子的に変換してファイルに保存公開することが一般的です。
読者は、Acrobat readerなどを使ってそれを読むことになります。
誌面そのままを電子データにしますので、製作費も安く、オンラインジャーナルというとまずこの段階からスタートされる例が多いようです。

ただ、この技法も紙の本の誌面体裁そのままが画面に表示されますので、
プリントアウトはともかく画面上では読みやすくありませんし、検索などもそれほど自由にはできません。
あくまでも紙の本の発行を前提とした技法で、紙の雑誌を発行しない純粋インターネットジャーナルではあまり意味がありません。

HTMLオンラインジャーナルの究極形態

最もオンラインジャーナルとして有効なのは、インターネット専用言語であるHTMLで書かれ、誌面も画面用に特化したHTML技法です。
紙の誌面とはまったく独立して、画面で読みやすいように誌面を構成できますし、
検索やリンクも自由で、特に引用文献リンクは便利なことこの上なく、オンラインジャーナルの究極形態はこのかたちといえます。

反面、作成に非常な手間がかかり、費用もかさみます。
紙の誌面とHTML版をいかに効率よく、ひとつのソースから作り出すかという技量が問われます。
現在では、XMLというファイル形式を使って、紙版、電子版を同時に効率よく組版する汎用組版などがこころみられています。
中西印刷は独自技法でXML汎用組版を行っています。

オープンアクセスとは

オンラインジャーナルが普及するとともに、オープンアクセス(OA)も進展してきました。オープンアクセスは、無料でオンラインジャーナルを公開しようという試みです。
オープンアクセスとすることで、読者はお金を必要とせず、自由に論文を閲覧する事ができるようになりますから、ひいては引用率の上昇などがみこめます。実際にオープンにする方が引用率があがるとも言われています。

従来の学協会財政モデル
雑誌が無料で配布されることはありませんでした。

以前は紙の雑誌を印刷したり配布するところにお金がかかりましたから、雑誌が無料で配布されることはありませんでした。多くは価格をつけて販売されたり、学会員が会費の対価として受け取る物でした。

OAモデル
オンラインでは、印刷・配布に費用がかかりません。

お互いに無料で公開しあえば、無用な代金回収や会費徴収の手間がかかりませんし、図書館などでは無料で学術雑誌が手に入ります。

研究費を出したfund側でも、研究費を出した研究の結果をみようとすると商業出版社から有料で学術雑誌やそのオンライン版を購入しなければならないのはおかしいという考え方がでできました。NIHプロポーザルが有名で「NIHからファンドを受けた研究は、1年以内に無料でPMCに載せなければならない」としています。
また出版社の手をへないで無料でオンラインジャーナルを提供しようと言う雑誌も続出しています。PLOS ONEはその代表です。この場合、オンラインジャーナルの作成費用は著者が投稿料というかたちで負担するのが一般的です。

注意喚起粗悪学術雑誌“ハゲタカジャーナル”にご注意ください!

ハゲタカジャーナル(Predatory Journal)は粗悪学術雑誌とも言われ、現在問題になっています。
こうしたハゲタカジャーナルでは投稿料さえ支払えば論文がただちに掲載されます。これはオンラインジャーナルのオープンアクセスの進展とともに生じた新ビジネスで、雑誌運営が購読料から投稿料支払いのモデルに移行したことにより発生しました。投稿料さえもらえれば、商売としてなりたつわけです。

もちろん、こうしたジャーナルでは編集などもいい加減ですし、査読雑誌を装っていても、実際には査読などされていないこともあります。
オンラインではそれでももっともらしい学会サイトができあがってしまい、一見して見破るのはかなり難しいのです。
Impact Factorが仰々しく掲げられている場合もありますが、よく読むと、Impact Factorもどきの指標で、いわゆる一般的に認められるClarivate Analyticsのものとはまったく関係がないものだったりします。

この手のジャーナルでは電子メールなどで、盛んに論文投稿を勧誘しており、場合によっては編集委員になって欲しいとか、
学会をやるのでKey Note Speachをお願いしたいということまで言ってきます。
うっかりこの手の雑誌に投稿したり、編集委員になってしまうと、むしろ著者としての評判を落とすことにもなりかねません。

これは問題だと、こうしたハゲタカジャーナルの一覧表が作られたこともありますが、
当然名指しされた方は自分たちをハゲタカジャーナルとは認めないわけでトラブルになっています。
ハゲタカジャーナルを識別するため、DOAJ(Directory of Open Access Journals)というサイトが作られ、問題のある出版
行為を排除しています。