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EigenFactorはImpactFactorと同じく、学術誌の影響力をはかる指標です。学術誌の影響指標についてはImpactFactorが広く使われてきましたが、引用数を発表数で割るという単純な指標ですので、発表数のすくないつまりマイナー雑誌が有利ですし、その数値が一人歩きして勝手にランク指標として扱われるなどさまざまな弊害がでていました。EigenFactorはこれらの弊害をかなり減らすことに成功し、あらたな指標として注目を浴びています。
かなり複雑な式となっており、線形代数や統計学といった大学理系の数学知識が必要です。
そのため、詳細は「EigenFactorの数学的基礎」という文書(PDF)を用意しておりますので。こちらを御覧ください。
EigenFactorはImpactFactorとくらべ、どのような指標としての違いがあるのでしょうか。
実際、日本のImpactFactor上位の理系雑誌のEigenFactorを調べてみました。
EF順位 | Journal | EF | IF | IF順位 |
---|---|---|---|---|
1 | JAPANESE JOURNAL OF APPLIED PHYSICS | 0.02103 | 1.471 | 101 |
2 | Applied Physics Express | 0.01823 | 2.772 | 27 |
3 | PLANT AND CELL PHYSIOLOGY | 0.01821 | 3.929 | 10 | 4 | CANCER SCIENCE | 0.01661 | 4.751 | 5 |
5 | CIRCULATION JOURNAL | 0.01651 | 3.025 | 26 |
6 | JOURNAL OF THE PHYSICAL SOCIETY OF JAPAN | 0.01460 | 1.570 | 86 |
7 | NPG Asia Materials | 0.01109 | 8.052 | 2 |
8 | CHEMISTRY LETTERS | 0.01104 | 1.485 | 98 |
9 | JOURNAL OF GASTROENTEROLOGY | 0.01054 | 5.130 | 4 |
10 | EARTH PLANET SCIENCES | 0.01001 | 2.736 | 29 |
(出典:Clarivate Analytics社、Journal Citation Reports 2018年版)
EigenFactor上位雑誌は、いわゆる有名誌が多いことがわかりました。
それに比してImpactFactor上位という雑誌には有名な雑誌も含まれていますが、あまり馴染みのない雑誌も含まれています。創刊まもないといった雑誌もあります。その他ImpactFactorと比較してEigenFactorでは、有名な雑誌が各分野、偏りなく選ばれており、非常に「実感」に近いものとなっています。 なお、中西印刷ではお問い合わせいただいても、個別のEigenFactorやImpactFactorをお教えすることはできません。
EigenFactorは数値が小数点以下の非常に小さい値となり、また分野による偏りもImpact Factorほどでないにせよ存在しました。そこでこれを解消するため、2014年版からNormalized Eigenfactor(正規化アイゲンファクター)という指標が発表されるようになりました。これはEigenfactorのアルゴリズム自体はそのままに、分野内の平均スコアが1となるよう正規化された指標です。従って、Normalized EigenFactorが1であればその分野で平均的な影響力をもつジャーナルといえ、それ以上すであれば影響力が大きいジャーナル、以下であれば影響力の小さなジャーナルということになります。
ご不明な点などはClarivate Analytics社ウェブサイト(https://clarivate.jp/products/journal-citation-reports/)をご参照ください。
詳細については「EigenFactorについて」という文書(PDF)を用意しておりますので。こちらを御覧ください。